2018/05/05
今回はカナダからアメリカにまたがる、ロッキー山脈に生息するグリズリーや、ブラックベアなどの野生動物の生態についてご紹介します!(Grizzly and Brack Bear in Canadian Rocky)
目次
グリズリー
グリズリーの子育て
人間が国立公園に住み始めてから現在に至るまでに、この素晴らしいグリズリーは次第に姿を消していきました。グリズリーベアは、普通は自ら人間を攻撃することはほとんどないのですが、非常に防衛本能が強い動物になります。
母親にとって若いグリズリーと小熊は、最も大切な存在であって非常によく面倒を見ます。母親はすべての犠牲を払ってでも、自分の子供を守ろうとします。
1月の末から2月にかけて冬眠中に子供を産み、春まで小熊は母親のミルクを飲んで育ちます。夏の終わりに妊娠している雌熊は、冬眠に入るために1日に15,000カロリー以上を食べなければなりません。昆虫や草花、動物の死骸や魚類のすべてがその餌になります。
冬眠するときにはその身体に30cm以上の脂肪がつき、この脂肪は小熊が生まれるとすぐに分解を初め、肝臓を通過する時に、アミノ酸に変わってミルクとなります。
小熊は最初の1年を、すべて母熊に頼って生きます。小熊を育てる期間は、オス熊はまったく関与しません。それどころかその小熊を食べようと襲い掛かることも稀にあります。
時として子熊を襲い、殺してからメス熊がこのオス熊と行動を共にして、冬にまた子熊を生むこともあります。
小熊たちは2~3年で離乳します。その間生きていくためのすべてを、母熊から学ばなくてはなりません。先ほどもご紹介しましたがグリズリーは雑食性の動物なので、時には山から降りて人間社会に近寄ることももちろんあります。
人間も雑食性なので、人間の食べ物を熊が好むのも無理はないかも知れません。
グリズリーは雑食性
また熊はカロリーの高い物を好みます。人間社会の中でグリズリーが探すものとしては、サンドイッチのようなものからゴミ箱の中、家畜や農作物まで、特に匂いのするものは何でも探します。
グリズリーの嗅覚は非常に鋭いです。ですので山でのハイキングや河辺でのピクニックなど、自然の中で食べるときには充分に注意をはらうことが必要になります。
グリズリーの好む場所はムースと同じような、柔らかい草が良く出てくるところ、また雪崩の後の山裾になります。
特に冬眠から目覚めて出てくる4月の初旬は、南向きの土手に咲き始めるタンポポを好んで食べて、春の日差しが差し込んでいる所はもちろん、昆虫が集まるので好んで出てきます。
昆虫も重要な栄養源になっているわけです。またエルクやムース、羊等はグリズリーの大好物になります。
新鮮な生肉は消化が大変なので一度穴を掘って埋め、しばらく経ってから掘り起こして食べています。ということは山で動物の死骸を見つけたら要注意です。グリズリーが近寄ってくるかもしれません。
大きな動物を絶えず地面に埋める習性のあるグリズリーには、首の後ろにコブがありますが、これは穴を掘る時に使う筋肉が発達したものです。
グリズリーの縄張りで注意すること
- 絶対に一人だけでハイキングをしないこと。
- ベルのような金属音を出すものを持ち歩き、熊に自分が近づいていることを知らせること。
- 絶対にテントの中に食べ物を置かないこと。汚れたお皿や容器は必ず洗って、キャンプの廻りを清潔にしておくこと。夜には食べ物をテントから最低100mは離れた、木と木の間につるすこと。
ブラックベア
黒熊は雑食性の動物で、体重は大きい物で150kg、1.5mにもなり、グリズリーに比べて段違いに大きいです。色は茶色から真っ黒な物まで様々ありますが、シナモン色のブラックベアを、グリズリーと間違えることもあります。
母親は冬眠中に2~3頭の子供を産みますが、国立公園の調査によると、冬眠中に誤って子熊を食べてしまうことも稀ではということです。
マーモットのように完全に冬眠する動物とは違い、熊は絶えず人間がウトウトしている状態で、心臓の鼓動と呼吸は夏の時期よりも少なくなります。そのために冬眠中に何回か目を覚ますこともあります。
6月から7月にかけて発情期があり、2月ごろに子供を産みます。食べ物はグリズリーとほぼ同じですが、求める環境はグリズリーと若干異なります。
ブラックベアは、山の谷間の比較的高度の低いところで出くわすことが多いです。道路沿いに春先に出てきますが、これらは柔らかい草花や昆虫がいるからです。
カナディアンロッキー野生動物の写真集
おわりに
グリズリーもブラックベアも、秋の終わり頃にも、草や昆虫を求めて道路沿いに出てきます。子ずれの母熊は全ての犠牲を払って、子熊を防御します。特にコヨーテに子熊が食べられることが多く、子熊が大人になる確率は非常に少ないのです。
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