2018/05/05
四国八十八ヶ所お遍路に興味のある方、またこれから旅へ出かける初心者の方に、遍路のお参りの順番や作法をご紹介します!納札の納め方や団体ツアーで参加の際の注意事項、納経料や納経所でのマナー、お経の読む順番など、お参りに必要なことをご案内しています。
そもそも作法は相手に対する礼儀でもありますし、自分の精神を整えるためにも必要です。巡拝の順序や読経の作法など、ひと通り学んでから巡礼に挑みましょう。(Henro in Shikoku)
目次
お遍路の巡拝の順序
お参りの前に
まずは山門や仁王門の前で一礼してから、境内に入りましょう。お邪魔しますという気持ちで、一礼すると良いでしょう。手水場(ちょうずば)で手を清めてから、その手に水を受けて口をすすぎます。
鐘楼(とうろう)の鐘をつくこともできますが、お寺によってはつけないところもありました。気を付けて欲しいのは、参拝後に鐘を突くことだけはやめましょう。「戻り鐘」と言って、縁起が悪いといわれているからです。
本堂からお参り
まずは本堂に参りましょう。ローソクは奥から立てます。そうしないと後からお参りにきた方が、手前のろうそくで火傷を負ってしまうかも知れないからです。同じ理由で、線香は真ん中から立てましょうね。
続いて納札箱に納札(おさめふだ)や写経(しゃきょう)を納めて、お賽銭8おさいせん)を入れます。そして合掌をしてから読経を行いましょう。経本を見ながらで大丈夫です。本堂のお参りが終ったら、今度は大師堂(だいしどう)へ向かいます。そして本堂と同じ動作を繰り返します。
ツアーの場合は30人前後で一緒にお参りをするので、個人のお客様のご迷惑にならないように、先に人の少ない大師堂からお参りすることも、少なくなかったです。
最後に納経所へ
そしてすべてのお参りが終ってから、納経をする人は納経所へ向かいましょう。ここで納経帳に奉納・本尊名・寺名の3種類の墨書きと札所番号・寺印・寺名を頂きます。納経料をお支払いして、すべての巡拝が終了です。
お遍路の読経作法
お経をあげる順番
経本に色々とお経が書いてあります。何をどの順で読経したらよいのか、始めはわかりませんよね?是非こちらを参考にしてください。
まず合掌して三礼する
↓
祈願文(きがんもん)を唱える
↓
開経偈(かいきょうげ)
※これから読経を始めますという意味
↓
般若心経(はんにゃしんぎょう)
※262文字の文字にまとめたもの
↓
御本尊真言(ごほんぞんしんごん)を3回唱える
※通常経本の裏に書いてあって、お寺ごとに異なる
↓
光明真言(こうみょうしんごん)を3回唱える
↓
御宝号(ごほうごう)を3回唱える
※弘法大師のお名前
↓
回向文(えこうもん)
↓
合掌一礼
※ありがとうございますという感謝の気持ちを込める
お経をあげる時のマナー
もしお寺が非常に混んでいたり時間がない時は、般若心経と御宝号は必ず唱えましょう。経本をみながら、声のトーンは髙からず低からず、また早からず遅からずを心掛けましょう。
ご一緒した先導の先達さんから教わったのは、お経は目と耳で唱えるものだということです。経本を目で見て周りのお経の声を聴きながら、読経するという意味なんですね。そうすると自ずとグループ全員のお経がきれいに聞こえてきます。
もしお経のトーンやテンポが周りと違うと感じたら、かならずその周りに合わせましょう。これもお遍路のマナーのひとつですよ。また混雑時は周りの方の迷惑にならないように、正面での参拝はさけて左右に寄る配慮も大切です。
お遍路の納経所
(のうきょうしょ)
納経料金
納経というのは、お経を唱えた証として記帳されるものなんですね。ですので先ほど「お遍路の巡拝の順序」でご紹介したのですが、必ずすべてのお参りを済ませてから納経することが大切です。必ず守りましょう。
納経料は1カ寺につき、納経帳300円・白衣200円・掛け軸500円となっていて、自分の必要なものだけ納めます。またご本尊(ごほんぞん)を描いた短冊の「御姿(おすがた)」を、納経帳と掛け軸の納経をした方は頂けます。別途100円で購入も可能です。
この納経料はツアー料金には含まれていないので、注意です。私が添乗員で引率する時は、初日に別途集金させて頂いています。各札所の納経所は、7時~17時までで、年中無休で納経してくださいます。
お参りの時間
納経所が17時まで納経してくださるというのは、17時までにお寺に到着すればいいというわけではないので、間違えないでくださいね。遅くとも16時過ぎにはお寺の境内に入り、遅くとも17時までには駐車場を出ましょうね。くれぐれも時間は厳守です。
ローソクや線香も、16時以降はあげない方が好ましいいです。お寺によっては宿泊客のケアがあるために、この時間帯は非常に忙しいということを、忘れないようにご注意くださいね。ローソクや線香の火が残っていると、お寺さんも最後まで見届けないといけないからです。
納経所で注意すること
日曜日や祝日は参拝者が多いので、必然的に納経所もとても混みます。もしバスや電車移動される方は、時間に余裕を持ちましょう。ツアーやタクシーを利用した場合は、添乗員やドライバーさんが納経をさせて頂いています。
納経所にはドライヤーが置いてあって、特に掛け軸は墨が渇きずらいので、冷風で乾かしましょう。くれぐれも温風はあてないでくださいね。納経帳は新聞紙を挟むと、墨を吸ってくれるので便利ですよ。
おわりに
さぁ、ここまで読んだ方はもういつでもお遍路へ出発できますね?!もし不安であれば1番札所霊山寺で、周りの方の参拝の様子を伺ってみると良いと思います。1番札所霊山寺までのアクセス方法や各札所については、こちらも参考にしてみてくださいね!⤵⤵
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