2018/05/05
最近若い方から海外の方まで人気のある、「四国霊場遍路の旅」が始まった歴史をまずご紹介します!そしてその後変化していくお遍路の巡礼の様子や、順打ちや一国参りなどの巡拝の種類、そして同行二人などの基礎知識についてもご紹介しています。主な遍路用語と合わせて、お遍路に出発するまでの準備をしていきましょう!(hisutory & general informations obout Henro in Shikoku)
目次
遍路は江戸時代から始まった
弘法大師が開いた信仰の道場
四国にある八十八ヶ所の霊場は、弘法大師が開いた信仰の道場です。そしてこの巡拝は人生の苦しみを癒して、生きる喜びや安らぎを与えてくれる祈りの旅になります。私は2015年から2017年の間に、このお遍路を5回ほど巡拝させて頂きました。
今のような形のお遍路は、だいたい200年くらい前から始まったと言われています。そもそもは大師の入定後に、お弟子さんや行者が、大師が修行した場所で同じように回っていったのが、いつのまにか庶民の間に広まったんですね。お四国は昔から、大師が修行したお寺で修行やお参りをする風習があって、それがまとまって八十八ヶ所になって行きました。
時代と共に札所の番号が決まる
時代とともに関西や近畿などの、本州からお参りする人が増えて来てきました。そうすると淡路島から鳴門に渡って、四国入りするのが主流になって来ました。それと共に最初に足を踏み入れる徳島から周るようになっていって、今の札所(ふだしょ)の番号が決まったんですね。
四国の4県は、徳島は「発心(ほっしん)」・高知は「修行(しゅぎょう)」・愛媛は「菩提(ぼだい)」・香川は「涅槃(ねはん)」の道場と呼ばれています。
巡拝の種類
区切り打ち
昔は歩き遍路だけでした。成人男性でこの八十八ヶ所を全部通して歩いて周ると、40~50日ほど掛かります。今は車で移動が可能になったので、日帰りだったり2泊3日、そして1週間など自分達のスケジュールに合わせて、区切って周ることが出来るようになったんですね。このような数回に分けて巡拝することを、「区切り打ち」と呼んでます。
通し打ち
私は北海道に在住して添乗員をさせて頂いていますが、北海道のお客様をお連れしてお遍路をツアーで周って、全周すると2週間掛かりましたね。それを5回ほど巡拝させて頂ました。このような1度に全て巡拝することを、「通し打ち」とも言います。
一国参り
なかでも特に阿波(徳島)・土佐(高知)・伊予(愛媛)・讃岐(香川)の、国単位で区切り打ちすることを「一国参り(いっこくまいり)」と呼びます。昭和30~40年代ころから車の巡拝が増えてきたので、そのため道路事情が良くなっていったんですね。
例えば昔は峠越えをしないと辿り着けなかった難所も、今は山の上まで車道が整備されたり、はたまたロープウェイが出来たので、昔に比べると格段と楽に巡拝が出来るようになったというわけです。
お遍路の遍路用語と心得
札所を打つ
昔の札は木・紙・金属などで出来ていて、それらを霊場のお寺の柱などに打ち付けて、巡拝した証としていました。ですので、霊場を巡ることを「打つ」と言って、その霊場を「札所(ふだしょ)」と呼んでいたんですね。
順打ちと逆打ち
また八十八ヶ所を巡拝する方向もあって、1番札所から2番札所へと時計周りに進むのは「順打ち(じゅんうち)」、逆に88番から87番へと反時計回りに進むのを「逆打ち(ぎゃくうち)」といいます。
この逆打ちは道標も少なくて歩きつらいことと、今も順打ちで周っておられる弘法大師と必ず1回はすれ違うということで、順打ちの3倍のご利益があると言われています。特にうるう年に逆打ちをすると、ご利益があると言われています。私はまだ順打ちしかしたこたがありませんが、うるう年に巡拝すると、逆打ちの方を多く見かけましたよ。
同行二人
(どうぎょうににん)
お遍路は、弘法大師の修行足跡をたどって歩くことです。いつも弘法大師との「同行二人」の旅だということを心得ておきましょう。
四国八十八ヶ所の巡拝者は、それぞれに弘法大師のご加護を受けて、つねに二人で巡拝しているという意味になります。金剛杖(こんごうづえ)は弘法大師そのものなので、大切に扱うようにしましょう。
先達さんの同行
(せんだち・せんだつ)
私はツアーをお世話する立場でご一緒させていただきましたが、このようなツアーには「先達」さんが同行します。一般的にはせんだつと呼ぶんですが、先達さんは自分のことを、「せんだち」と呼んでいましたね。地元での呼び方なのでしょうか?
先達さんは、グループ巡拝の先導者のことになります。豊な巡拝経験を持っていて、遍路道や霊場の由来、巡拝作法などにも精進した巡拝の指揮役になります。
お接待の風習
(おせったい)
お四国には、土地の人がお遍路さんにお茶やお菓子などを提供する「お接待」という風習があります。巡拝者は弘法大師その人であるという信仰心があったり、巡拝できない自分の代わりにその人を応援しているのです。
このお接待は、本当にどこへ行ってもいただきました。アメをいただいたり、伊予みかんや飲み物など様々なものを頂きましたね。なかには生キャベツを丸々1ついただきた時には、さすがにちょっと驚きましたが...お接待はくれぐれも断ることがないようにしましょうね。これも心得のひとつですよ。
最後に「御詠歌(ごえいか)」の説明ですが、これは神仏に対する祈りの歌です。各寺毎に異なった御詠歌が詠まれています。
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おわりに
これから初めてお遍路に行かれる方、またお遍路は聞いたことはあるけど、実際はどんなものなのかあまり知らなかったかたの参考になれば嬉しいです。
今回は歴史や概要、専門用語についてご紹介しましたが、巡拝の服装やその価格についてや、巡拝方法とお経の作法、そして実際の1番札所霊山寺へのアクセス、歩き遍路について興味のある方は、こちらも参考にしてみてくださいね!⤵⤵
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