2018/05/05
北海道の道東に位置する「阿寒国立公園」は、日本で2番目に指定された国立公園になります。この阿寒国立公園は西側の阿寒湖エリアと、東側の屈斜路や摩周湖のエリアに分かれていて、2つのエリアは「阿寒横断道路」で繋がっています。
西エリアの主な観光地としては、阿寒湖氷上フェスティバル開催地の阿寒湖・雄阿寒岳・双岳台・釧北峠・鶴見峠・神秘的な湖のオンネトー・雌阿寒岳・阿寒富士が位置しています。
東エリアの主な観光地としては川湯温泉を中心に、世界屈指の透明度を誇る摩周湖、その後ろには摩周岳や硫黄山などがあります。またその間に、ペンケトーとパンケトーも位置しています。今回はそんな見どころ満載の、阿寒国立公園についてご紹介します!( Akan National Park in Hokkaido)
目次
阿寒国立公園の基本情報
阿寒横断道路が東西を繋ぐ
阿寒湖は、道東の釧路市にある湖です。その湖の全域が、阿寒国立公園に位置しています。この阿寒国立公園は昭和9年12月4日、大雪山や日光などの国立公園とともに、日本で2番目に指定された国立公園になります。その総面積が90,481ヘクタールもある、広大な国立公園になります。
釧路・十勝・網走・根室の各エリアにまたがっていて、千島火山帯の活動によって出来た、阿寒・屈斜路・摩周の3つのカルデラ湖が含まれています。この阿寒国立公園は西側の阿寒湖エリアと、東側の屈斜路や摩周湖のエリアに分かれていて、その両エリアをつないでいるのが、阿寒横断道路になります。
以前、寒湖温泉に宿泊したときのこと。この阿寒横断道路が、雪崩によって通行止めになってしましたした。阿寒湖温泉から脱出するには、この阿寒横断道路しかなかったために、通行止めが解除になるまで阿寒湖温泉にスタックしたことがあります。それだけ阿寒横断道路は、阿寒湖温泉郷および周辺を繋ぐ大切な生命線なのです!
東西エリアの観光地
西のエリアは、阿寒湖・雄阿寒岳(1,371m)・双岳台・釧北峠・鶴見峠がなどが取り囲むカルデラ地形となます。その南には神秘的な湖のオンネトー、さらにはその奥に主峰である雌阿寒岳(1,499m)・阿寒富士(1,476m)を、天気の良い日には一緒に眺めることが出来ます。個人的には、このオンネトーからの景色をおすすめします。特に秋の時期の、コントラストが素晴らしかったです。
そして東のエリアは川湯温泉を中心に、世界屈指の透明度を誇る摩周湖、その後ろには摩周岳、硫黄山などが見どころになります。この摩周湖は、なかなか晴れの日に出くわしませんでした。でも天気も良くて風がない日には、ミラーレークのように摩周岳が摩周湖に映りこんで、とっても綺麗でした。
阿寒湖の保全
阿寒湖は昭和30年代から、特別天然記念物である「阿寒のマリモ」を見学できる、観光遊覧船が運航を始めました。けれども遊覧船の影響で湖水が汚染されるために、その改善対策として下水道の設備や湖底の堆積物のしゅんせつなど、マリモと阿寒湖の保全や保護をする活動が活発に行われてきました。
最近では阿寒湖でカヌーの利用や、スポーツフィッシングでの利用も盛んに行われています。内水面漁業も昔から行われていて、今では阿寒湖のキャパシティーに合わせた漁業が行われています。阿寒湖から流出する阿寒川の水は、水力発電にも利用されています。
阿寒国立公園の地形ができるまで
阿寒湖ができるまで
西のエリアの屈斜路湖カルデラは、その北に位置する藻琴山からの稜線を外輪山としています。その規模は直径が約26kmにもわたっていて、九州の阿蘇のカルデラに並んで、世界でも有数の大カルデラになります。
その後に摩周カルデラが形成されて、また屈斜路の中島や和琴半島、川湯の硫黄山、さらには摩周湖の中島や摩周岳などが、そのカルデラの中心地や周辺に形成されました。そして今から2,000年前にはほぼ現在の地形になったと考えられています。
硫黄山は今でも噴煙を上げています。そして川湯温泉をはじめ、屈斜路湖畔には砂湯などの温泉地も点在しています。またそのカルデラの北東寄りに雄阿寒岳が噴出してから、ペンケトーとパンケトー、そして阿寒湖の3つの湖にわかれたと考えられています。
ペンケトーとパンケトー
このペンケトーとパンケトーは、自家用車ではなかなか見ることができないんです。241号線沿いにあるんですが、少し奥ばったところにあるので、自家用車だと視点が低くて見えません。私は添乗員という仕事柄よく観光バスで通過するのですが、観光バスは視点が高いので天候次第で見ることが出来ます。
手前に見えるのがペンケトーで、北海道の形に似ていますよ。その奥にあるのがパンケトーで、こちらの方が大きい湖です。この2つの湖は、北海道の先住民であるアイヌ民族が名づけています。北海道で「トー」とついているのは、基本的には湖や池のことです。今度北海道にお越しになることがあったら、ちょっと思い出してみてくださいね。
阿寒カルデラの中に降った雨は、エゾマツやトドマツなどの針葉樹、そしてミズナラオニグルミなどの広葉樹が混じった森に吸収されます。そのあとに今ご紹介したペンケトーやパンケトー、そして阿寒湖へと注いくんですね。ペンケトーとパンケトーの水も、いずれはイベシベツ川を通り、すべて阿寒湖へと注いでいます。
こんな感じで阿寒湖は阿寒の森に浄化されて、たくさんのミネラルを含んだきれいな水と、阿寒湖の湖底から湧き出す温泉の栄養分によって、マリモやワカサギなどのたくさんの生物を育んでいます。
阿寒国立公園のおすすめの観光地
阿寒湖遊覧船でチュウルイ島へ
阿寒湖は阿寒カルデラの中心に位置していて、マリモの生育地として世界的にも有名な湖になります。合わせて、ヒメマスの原産湖にもなります。冬に阿寒湖が凍結する前までは、定期観光船が就航しています。途中にチュウルイ島で一旦下船をして、その島にあるマリモ展示観察センターを、無料で見学することも出来ます。
約15分間の立ち寄りの間に、小さなチュウルイ島をぐるっと回って、マリモを見てまた船に乗ります。マリモの他には、幻の魚と言われる「イトウ」もたくさんいました。この島にはお手洗いの設置は無かったので、船内で済ませましょう。
詳しくはこちらも参考にしてみてくださいね!⤵⤵
北海道阿寒湖でアイヌ古式舞踊や遊覧船に乗ってマリモを見に行こう
阿寒湖氷上フェスティバル
阿寒湖は冬は完全に凍結するので、湖上を歩くことも出来るようになります。冬の湖上のアクティビティとしては、スケートにわかさぎ釣り、また阿寒湖氷上フェスティバルの時には、バナナボートやスノーモービルを楽しむことも出来ます。期間中には毎晩、花火も上がりますよ。
阿寒湖は平成17年11月に、ラムサール条約の登録湿地となりました。このラムサール条約とは、特に水鳥の生息地として重要な湿地の保全に関する多国間条約になります。
オンネトー
阿寒湖から南西には先ほどもご紹介した、五色沼とも呼ばれているオンネトーが位置しています。なぜ五色沼と言われているかというと、その時の天候や風向き、見る角度によってその色を変化させるからです。周囲が約2.5km、面積が0.23㎢ほどの小さな湖になります。
オンネトーは阿寒富士の火山活動の時に、その噴出物が螺湾川(らわんがわ)の上部がせき止められて出来た、せき止め湖と言われています。名前の由来はアイヌ語で、「オンネ」は年老いたまたは大きなという意味になり、「トー」は先ほどもご紹介しましたが、湖や沼という意味になります。
湖畔沿いには針葉樹の他に、白樺・ダケカンバ・イタヤカエデ・ナナカマド・ヤマモミジといった、秋に赤や黄色に紅葉する木々が混じった森になっているため、湖の青に対して素晴らしいコントラストを見せてくれます。
オンネトーは湖底から温泉がわき出していることと、酸性の湧き水が流入しているために、魚類はいなくて、エゾサンショウウオと日本ザリガニがいくらか生息している程度です。冬季には、湯壺以外は凍結します。
詳しくはこちらも参考にしてみてくださいね!⤵⤵
北海道道東の摩周湖第一展望台やオンネトーを訪れる
おわりに
個人的にも大好きなオンネトーを何度もご紹介してしまいましたが、是非秋にも訪れてみてくださいね!五色沼のどんな色が見えるかは、当日のお楽しみです!そのオンネトーの後ろにそびえる、雌阿寒岳と阿寒富士との3ショットは私の一押しです。また阿寒湖氷上フェスティバルの花火も必見ですよ!
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