2018/05/05
中部山岳国立公園にある八方尾根は、長野県の北アルプス(飛騨山脈)の北に位置していて、白馬連邦の唐松岳から、四方八方に尾根が延びていることから、八方尾根と名付けられています。
今回はこの八方尾根についてご紹介します!(happoone in nagano japan)
目次
長野県天然記念物に指定の八方尾根
八方尾根の一帯を望む山々は、日本百名山のうちの11峰が見渡せます。北は雨飾山から八ヶ岳まで、澄んだ空気の日には第1ケルンから「富士山」まで望めます。
黒菱平から上部は中部山岳国立公園であるとともに、長野県天然記念物に指定され、ここにしかいない固有種や可憐で貴重な高山植物をはじめ、特別天然記念物の日本カモシカやライチョウなどの、動植物が多数生息しています。
高山植物が咲き誇る八方尾根の美しい自然を、次に訪れる方、そして後世に伝えるために自然保護に協力しましょう。
高山植物が多く大きな木がないのはなぜ?
特殊な「蛇紋岩(じゃもんがん)」と呼ばれる地質によって、黒菱平から八方池上部付近まで、本来標高2500m以上の高山でしか見られないて低木林や希少な花々が咲き、八方池上部より上になると、標高が高くなるにも関わらずダケカンバ林が現れます。(下ノ樺・上ノ樺)
このように通常は現れないはずの低い標高に高山植物が生育し、高い標高にダケカンバ林が生育しているという、逆転現象が八方尾根の特徴になります。
また半年間もの間、3~4mにもおよぶ雪の下で、厳しい寒さの環境を耐えた貴重で豊富な高山植物を、すぐ足下にみるとこができます。
八方尾根に咲く固有種とは?
八方尾根は、通常の山岳で見られる高山植物の数よりはるかに多い、347種もの高山植物が自生しています。その中には、ハッポウと名が付く、八方尾根の固有種があるので探してみてください。
代表的な植物として挙げますとハッポウ タカネセンブリ(花期7~8月)は、淡紫色で濃い紫の斑点があって、4裂した7~10mmほどの可愛らしいお花です。
葉の大きさは2~3cmで柄が無く、背丈が10~40cmです。主に見られる場所は、八方池の東側付近です。
おすすめビュースポットは?
おすすめはもちろん「オープンテラス」、「雲海デッキ」から望む、日本百名山ビュースポットです!
ここからは白馬岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳・雨飾山・火打山・妙高山・高妻山・四阿山・浅間山・八ヶ岳・美ケ原の日本百名山のうちの11峰を望むことができます。
さらには焼山・戸隠山・飯綱山・横手山の山々を眺めることができます。ですのでハイキングの途中には、ぜひこの大パノラマの風景をお楽しみください。
岩がゴロゴロしているのはなぜ?
八方尾根でよく見かけるゴロゴロした岩は、特殊な「蛇紋岩」になります。蛇紋岩は本来は地表には現れませんが、こちらの八方尾根では雨や強い風を受ける影響によって、蛇紋岩が地表に現れている珍しいエリアです。
蛇紋岩は粘土質のためにもろくて崩れやすいので、ゴロゴロした道になってしまうのです。雨の日などは岩が濡れているところは、滑りやすいのでご注意ください。
「蛇紋岩」ってどんな岩なの?
蛇紋岩は「かんらん岩」などの超塩基性岩が、蛇紋石化によって生成したもので、紙を重ねたように見える葉片状の部分と、塊状の部分が見られます。
表面がヘビの皮の模様に似ていることから、蛇紋岩と呼ばれるようになって、マグネシウムや鉄などを多く含む岩石です。
蛇紋岩は水分を含むと破砕や風化しやすく、粘土質になります。そして土壌間の結合が弱いために、地層の流動を起こしやすいというわけです。
またマグネシウムの成分が、植物の水分吸収能力を低下させることから、乾燥に耐えられるアカマツ林や、根の浅いツツジ科植物の群落になることが多く、生存競争も低いことも加わって、特有の固有種が生育するなどの特徴があります。
おわりに
八方尾根にはそのほかにも、尾根の中腹に水をたたえる八方池があったり、また白馬村天然記念物の「ギフチョウ」も生息しています。
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