2018/05/05
重厚な屋敷構えで知られている秋田県角館町は、石黒家や青柳家をはじめとする武家屋敷が数多く残っています。また春には桧木内川沿岸に桜並木が続き、角館さくらまつりも開催されています。今回は、この歴史の深い角館についてご紹介します!(Kakunodate in Akita)
目次
角館の歴史
仙北平野に開かれた城下町角館
角館町は、元和6年(1620)に角館を領していた芦名義勝によって作られた町です。三方を山に囲まれ、南の玉川筋によって仙北平野に開いている地形は、城下町を形成するために最も適している場所だったのです。
町を作るのには現在の古城山(城跡)を北端として、南に向けて三本の道路を設定して、これらを中心に作ったといわれています。それ以前は山を挟んで現在の町と反対側にあったのですが、地の利や広さを考え、さらに水害や火災というアクシデントもあって、新しい町づくりをしています。
武家町と商人町
町の中心部である役場のある広場は「火除け」と呼ばれる場所で、幅が25mあって、東の花場山の麓から西を流れる桧木内川(ひのきないかわ)まで、町の最も狭い部分を分断する形で設けられています。ここが武家町(内町)と、商人町(外町)を区分する場所となっています。
北側に位置する武家町は木立が多い、その一方の南の商人町は街並みがびっしりと埋まっていて対照的でした。町が造られた当時の元和6年には武家屋敷が80戸、商家が350戸あったと数えられていて、秋田藩の支藩としては最も大きな城下町を形成していました。
以来390年余りの間に町の形は大きく変わっていませんし、特に内町という武家町は道路の幅から曲がり角一つまで、当時のそのままに残っています。まさに角館は、歴史の生きている町なのです。
角館の主な武家屋敷
石黒家
(いしぐろけ・Ishiguroke)
石黒家は、佐竹北家の用人を勤めた家柄です。武家の格式を示しながら簡素な佇まいをしています。(有料300円)
青柳家
(あおやぎけ・Aoyagike)
青柳家の家屋は寄棟葺屋根の母屋、薬医問、蔵、塀などで武家屋敷の建築様式を今に伝えています。邸内にあるハイカラ館も人気です。(有料500円)
岩橋家
(いわはしけ・Iwabashike)
江戸末期に改造、角館の中流武士の家屋として間取りなど典型的な形を残しています。(無料)
松本家
(まつもとけ・Matumotoke)
著者として知られる須藤半五郎を出した、向学の家です。建築年式は幕末期と推定されています。(無料)
河原田家
(かわらだけ・Kawaradake)
藩政時代の建築を踏襲していて、座敷にはこの地方の書院造りの典型的な様式を残しています。(無料)
角館町平福記念美術館
平福穂庵、百穂父子の作品を中心に、小田野直武のほかに多くの郷土画人を顕彰する美術館です。(有料)
角館樺細工伝承館
(かくのだてかばざいくでんしょうかん)
樺細工は山桜の樹皮を細工して、茶筒などを作るものです。日本で、唯一の技術を伝える伝承工芸品です。館内には樺細工の製造工程や、製品などの資料が展示されていて、制作の実演も行われています。
角館の季節のイベント
さくらまつり
4月20日~5月5日に開催されています。町の中心を流れる桧木内川の堤に、2kmに渡って染井吉野の桜のトンネルが現れます。昭和8年救農土木事業によって完成した堤防上に、天皇陛下の誕生を記念して昭和9年に植えられたのがこの桜です。
また武家屋敷に咲く枝垂桜は、今から約300年前佐竹北家が、この地に入部してからほどなく植えて育てたれたもので、樹齢300年以上の老樹など400本余りが華麗に咲き誇ります。
ささら舞い
8月13日と15日に開催されます。この「ささら」は、慶長7年(1602)佐竹氏が常陸(現在の茨城県)から国替えの時、行列の先頭に立ち悪魔退散をしてきたもので、これが各村々の獅子踊りといっしょになって、伝わったものだと考えられています。あくまで信仰を支えとして無病息災などを祈願するもので、今ではお盆の行事として舞われています。
秋まつり
秋まつりは、9月7日~9日に開催されています。このまつりは、350年の伝統を誇るみちのくのお祭りです。飾山ばやしに合わせて秋田美人が舞い、若者たちが力の限り山車をぶつけ合って、祭りの最高潮へと一気に駆け上がっていきます。城下町を舞台に繰り広げられるまつりで、町の人はもちろん会場は人で埋め尽くされるほどです。
火振りかまくら
2月14日に開催されます。小正月の行事の一つで、神聖な火で田んぼの五穀豊穣、無病息災を祈る行事です。炭俵や米俵に縄をつけて、それに火をつけて振り回します。大きな火の輪が冬の夜を照らします。問い合わせは、角館町観光協会0187-0187-54-2700まで
秋田県の写真集
おわりに
その他にも外町地区には、観光名所がたくさんあります。新潮社創設者の佐藤義亮氏ゆかりの資料を展示している「新潮社記念文学館」をはじめ、明治後期から大正時代にかけて地主として繁栄した「西宮家」、また味噌・醤油の醸造元と漬物の製造元の「安藤家」など、まだまだみどころはたくさんありますよ。
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