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原爆ドームが残る広島に原爆投下した理由と佐々木禎子の折鶴

time 2017/08/20

原爆ドームが残る広島に原爆投下した理由と佐々木禎子の折鶴

原爆ドームとして知られている広島平和記念碑は、原子爆弾が広島市に投下された惨事を後世に残す記念碑になります。今回はこの世界平和の祈りを込めた広島の象徴でもある、原爆ドームについてご紹介します。(Atomic Bomb Dome in Hiroshima)



目次

原爆投下前は広島県物産陳列館だった

 

広島平和記念碑は当初は、広島県の特産を展示する広島県物産陳列館ということで会館しました。その後の原爆が投下された時には、広島県産業推奨館と呼ばれていました。

明治後期の広島は、明治37年(1904年)の日露戦争を契機に、経済的に発展していました。原爆ドームの元の建物はチェコ人のヤン・レツルが設計して、大正4年(1915年)に広島県特産陳列館として開館しました。

建物は一部に鉄骨を利用している煉瓦造りで、外装は石材とモルタルで出来ていて、3階建ての構造で窓が多いのが特徴でした。

当時の広島の都心部は、ほとんどが木造2階建ての建築だったために、ヨーロッパ風のデザインは大変珍しくて、広島名所の一つに数えられていました。館の名所は昭和8年(1933年)に、広島県産業推励館と改名されています。



広島県産業推励館の被爆

 

昭和20年8月6日に一発の原子爆弾が投下され、一瞬にして広島市街地の建物が吹き飛びました。広島県産業推励館は爆心地から北西約160m、高度は約600mという至近距離で被爆してしまいました。

そしてその時に受けた熱線と爆風で建物は大破してしまい、全焼してしまいました。その威力というと1㎡辺りに35tの圧力と、秒速440mというものだったそうです。

しかし爆風が真上から垂直に働いたために、奇跡的にも本屋などがある中心部は倒壊を免れています。残念ながら投下当時にこの建物の中で働いていた職員は、全員即死されました。

 

なぜ広島に原爆が投下されたのか?

 

アメリカは原爆の破壊力がどれほどのものなのかを把握するべく、直径3マイル(約4.8km)よりも大きな市街地のある都市を選んでいました。その目標都市として、南から長崎・小倉・広島・新潟の4都市を選びました。

そして8月2日に、広島への投下が決定したのです。理由として挙げられるのは、広島にはアメリカ軍兵士の捕虜収容所がないと思われていたからです。そして来る8月6日現地は晴れていて、広島市の市街地を目視出来たことから、原爆が投下されたのです。

 

原爆ドームを保存する

 

旧産業推励館の残骸は戦後に、その頂上にある円蓋鉄骨の姿より、「原爆ドーム」と市民から呼ばれていました。そしてこの原爆ドームを被爆の思い出が残るために取り壊す意見と、記念物として残すという意見に分かれました。

そんな中市街地はどんどんと復旧していっており、原爆投下をどう考えるのかと本格的に議論が始まりました。

その後の昭和28年(1953年)に原爆ドームは、広島県から広島市に譲与されましたが、建物には亀裂が入り、小規模な崩壊の危険性がありました。

保存の意見が多くなる中で昭和40年(1965年)に広島市は、広島大学工学部建築学教室に強度調査の依頼をしたのです。それから募金活動を開始して、国内外から約6,620万円の寄附金が集められ、いよいよ昭和42年(1967年)に保存工事が開始されたのでした。

その後の1996年には、これまで世界平和を訴えようと市民が一丸となって働き掛けた、世界遺産への登録が実現しています。



おわりに

原爆ドーム周辺にも、見どころがあります。2歳の時に被爆して、10年後に白血病で若くして亡くなられた佐々木禎子さんを偲んで、その他の子供たちを慰霊する碑が建っています。闘病生活中に折り鶴を追って回復を祈っていた禎子さん。今でも、世界中から折り鶴が届けられています。

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プロフィール

YUKI

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